EDITORS EYE

2021.03.16

vol.1 RIPVANWINKLE STORE

エディターの視点でリップヴァンウィンクルの魅力を紹介する定期コンテンツが今シーズンからスタート。第1回はブランドの世界観を表現する「箱」として、デザイナー大野雅央が大切にするフラッグシップショップにフォーカス。
RIPVANWINKLE FLAGSHIP STORE
アルチザン系ブランドの先駆けとして20年以上の歴史を持つリップヴァンウィンクル。実は立ち上げ当初は、セレクトショップとしてスタートした。「10代の頃に姉の影響でファッションに目覚め、部活と『探偵物語』に明け暮れていた自分ですが、将来は漠然と洋服で勝負してみたいと思っていました。30歳までには形にしたかったので28歳だった1997年9月5日、渋谷にセレクトショップとしてリップヴァンウィンクルをオープンしたんです」(大野)。リップヴァンウィンクルは「時代遅れの人」という意味で使われる英語だが、そこから転じて「時代に左右されない普遍的な服」という意味を込めて名付けた。
ショップはブランドのイメージを伝える大事な「箱」

DETAIL

モデルとしてファッション業界に携わり、20代はセレクトショップやブランドで経験を積んできた大野。自身が店頭に立っていた経験から、ブランドにとって店が重要であることを体感してきた。「ショップオープン当初はヨーロッパに買い付けに行って、カルペディエムやキャロル クリスチャン ポエルのような当時の先鋭的ブランドをピックアップしていました」(大野)。日本にまだシュリンクレザーのようなアイテムがなかった時代、ヨーロッパでそれらを見つけて興奮したという。
「自分と同じような考えの人がいることがうれしかった。最初はセレクト商品にないものをオリジナルで作っていましたが、98年からレザーも含めてフルで洋服を作り始めました」(大野)。渋谷から中目黒、代官山と動いて、今は恵比寿に落ち着いた。「ここもすでに4年目になりました。自分たちでイメージを発信していく場として、ショップを大事にしています」(大野)。今も時間があるときには店頭に立って接客するという。「ずっと接客業をやっていたから、店がないという状態が考えられないんですよね」(大野)。顧客とのコミュニケーションがブランドを続ける原動力にもなっている。
「もの作りにおいては、直感的、瞬間的な発想を大事にしています。自分が気に入って、ユーザーからもいいと言ってもらえるものは、考え抜いたデザインよりも、アイデアが降りてくるような感覚で生まれたものが多いんです」(大野)。オリジナルのフィルターを通して生まれるリップヴァンウィンクル流のベーシック。ただシンプルなだけではなく、何か“毒”のようなエッジが隠されているから、そこに惹かれてのめり込んでいく。そんな珠玉のコレクションを、ぜひとも店頭で手に取ってほしい。

SHOP DATA
東京都渋谷区東2-29-7 03-6712-6077

EDITORS PROFILE

Hisami Kotakemori

小竹森久美。1980年代からファッション雑誌でエディター、ライターとして企画、執筆に携わる。渋カジや裏原宿ムーブメントをリアルタイムで取材した経験を活かし、現在はウェブメディアも手がける。ファッションやカルチャー、インタビュー記事などを中心に今も現場主義で仕事に向き合う。